20年ぶりのKac再デビュー

Macへの回帰 〜35年越しのMac〜 1987年、私が新卒で入社した年。配属された技術部の上司から、3つの開発計画を一人で担当するよう命じられました。 当時私は、プリンタ設計部門に所属し、先輩の指示のもと製図や開発中のプリンタの試験を行っていました。そんな中で任されたのが、アメリカの代理店が開発したプリンタドライバを日本市場向けに商品化するという業務でした。 そのうちの1つが、 Macintosh用のプリンタドライバ のローカライズでした。開発機材として当時200万円近くした Macintosh II を調達し、初めてMacに触れることとなりました。それまで使っていたPC-9801シリーズとは、まるで別世界の存在でした。 最初にイメージとしては、 「目が疲れる」 ということ。当時のPCは黒背景に白や青の文字表示が主流だったのに対し、Macは白背景に黒文字。今では当たり前ですが、当時はこれが非常に新鮮で、2時間も画面を見ているとかなり目が疲れました。 その後、業務では約10年、個人でも20年近くMacを愛用しましたが、やがてWindowsが社内標準となり、次第にMacから遠ざかっていきました。 2025年2月、長年勤めた会社を退職したことをきっかけに、「もうWindowsに縛られなくても良い」という心の自由を感じ、ついにMacBookを再び手にしました。Windowsよりやや価格は高めでしたが、在籍中に加入していた持株会からの配当金が6月に入金される予定だったため、その資金を原資に購入を決断しました。 約20年のブランクに加え、OSやUIの進化でまだまだ慣れない部分は多いですが、やはり Macには“持つ楽しさ”があります。おしゃれで、触れているだけで創造的な気分になれる ——それがMacならではの魅力だと再認識しています。 かつてMacから離れたもう一つの理由は、スティーブ・ジョブズ氏が復帰後に打ち出した新たな思想が従来のMacと大きく異なり、それまでMacを支えていた多くの開発者たちが開発から手を引いたことに、一抹の寂しさと違和感を覚えたからです。 それでも、 Macへの憧れはずっと消えませんでした 。 今の感覚としては、「PCのかたちをしたiPhone」のような印象でしょうか。そして、導入動機のひとつだった Apple Intelligenc...